坂の上の川平歯科

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長年川平歯科に通ってくださっている患者様より、大変あたたかい当院のご紹介を寄稿いただきました。
私どもの至らない点もありますが、当院の雰囲気をご紹介できるものと思い、寄稿者の了承をいただきまして掲載させていただきます。
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坂の上の川平歯科(2)

さあ、いよいよ診察である。美しいスタッフが横に座り、口腔内のケアが始まる。歯間ブラシや歯ブラシで細かくケアしてくれるが、たまらないのは、患者とスタッフの微妙な距離感である。間と書いて「マ」と読み、剣道でも男と女でも、この「間」が勝負である。ここのスタッフは、患者との絶妙の間を取る。「もうこの時点で悩殺される高齢者も多いことだろうな。」と一人想像しながら治療してもらう。しかし、ただのケアではない。とにかく、褒めてくれるのである。私のようにこ汚い五〇男の口の中も、「歯茎がきれいですね。」とか「こまめにブラッシングされてますね。」とか、小学生がテストで◯をもらったような気分にさせてくれる。たまに力の入れすぎで、「あっ、痛くありませんか?出血してしまいました。」なんて言われても、「いいえ、気持ちいいです。」とさえ答えてしまう。こうなると催眠状態と言えるかもしれない。

このケアが終わり、いよいよ大御所の院長登場である。運がよければ、若先生や倫子先生と言う新進気鋭のドクターに診ていただけるが、これは年末ジャンボ宝くじで三等以上の確率と思っていいだろう。私の家内など、「今日は若先生に診て頂いた。」とまるでジャニーズのコンサートに行ったかのような表情で話すほどである。微笑みだけでなく矯正歯科の腕前は抜群と聞くが、家内は目を二重にして頂きたいようだ。今度、相談してみるそうだが、返事に困るタカハル先生の表情も楽しみだ。

さらに、私の娘など、倫子先生に親知らずを抜いて頂き、その直後に食事もバリバリできたぐらいである。ただし、抜いている間中、「ごめんなさい。」という言葉が続いたようだ。こんな優しい歯科医は世界中探してもいないと我が家では話している。その倫子先生、最近は、思い切って自分の考えを院長先生にぶつけている時もある。大きく成長していく過程なのだろう。患者の私が見守っていきたいと思うぐらい素敵な女医さんである。

さて、大御所の院長先生の登場である。丁寧なごあいさつの後、顔を近くに寄せて語ってくださるが、「タバコ臭さ」で庶民的な親近感を醸し出してくださる。まあ、その診たてと技術は抜群で、大川のブラックジャックの異名を取る。抜歯をさせると右に出るものはない。つまらない冗談に引きつけておいて「さっ。」と抜く。江戸時代のスリの技法に似ている。

治療法も心憎い配慮がある。ドリルで歯に穴をあける時、「痛いときは、左手を挙げてくださいね。」と前もって言う。私にとって、これは無理難題というものである。さらに、「痛いですねえ。ごめんなさいね〜。」と言いながらドリルを使い続ける。スタッフも一緒になって謝り続け、「もう少しです。」そして、「はい終わりますよ〜。」と言いながら、まだ続ける。さすがに、声も出ない。手を挙げる間もなく終了。流石である。

もうこれだけで川平歯科にだれもが引き込まれるのは当然であるが、ここで終わらないのが川平歯科の川平歯科たる所以である。
治療を終えて快適な気分で帰ろうとすると、駐車場で、ドクターの奥様とは思えない農作業スタイルで野菜を持って立つ和美奥様にお会いできる。もちろん皇室出身のような輝きを発するお孫さんの此春様を担ぎながらである。奥様とお孫様の百万ドルの笑顔に送られ、青虫の付いた無農薬野菜を積んで帰宅すると、その夜は大好きな春菊鍋で心からの幸せを感じる。そこまで含めた全てが、川平歯科の魅力なのだから。

さあ、読者の皆さんも、どうか日本一立地条件の悪い、そして世界一すばらしい川平歯科に足をお運びください。ただし、麻薬のような常習性もあり、治療以外で通うようになる場合もありますので、くれぐれもお気を付けください。では…。

2012年12月29日
(自称)川平歯科を影で支える会会長